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専用グラフィックについて武器モーションについて 親世代キャラグラフィック一覧 子世代キャラグラフィック一覧 NPC・敵キャラ専用・DLCにおける変更グラフィック一覧 コメント 専用グラフィックについて ユニット加入時の初期クラスは親世代子世代(マーク除く)問わず専用の3Dモデル。 MAP上の2Dユニットは、基本的に顔部分が違うだけで首から下はマイユニット・マークと同一(一部例外を下の表に記載)。キャラとクラスによって顔部分が汎用になったり独自のものになったりするが法則性は不明。 武器モーションについて 武器モーションはクラスによって違うが、何種かのクラスが重複していることがある。 対応モーションは以下の通り。剣:ロード(男)=マスターロード(男) ロード(女)=マスターロード(女)=スターロード ソシアルナイト=パラディン=グレートナイト=ボウナイト=ダークナイト=オーバーロード 傭兵(男)=勇者(男)≒魔戦士 傭兵(女)=勇者(女) 剣士=ソードマスター 盗賊(男)=アサシン(男)=トリックスター(男) 盗賊(女)=アサシン(女)=トリックスター(女)≒踊り子 槍:ソシアルナイト=パラディン=グレートナイト=オーバーロード アーマーナイト(男)=ジェネラル アーマーナイト(女)=ジェネラル(デジェル) ペガサスナイト=ファルコンナイト=ダークペガサス 村人=ソルジャー 花嫁≒商人 斧:蛮族=戦士=バーサーカー=ウォーリアー グレートナイト=オーバーロード 勇者(男)=バトルモンク≒魔戦士 勇者(女)=バトルシスター ドラゴンナイト=ドラゴンマスター 弓:アーチャー(男)=スナイパー(男)≒アサシン(男) 花嫁≒アーチャー(女)=スナイパー(女)≒アサシン(女) 魔道書:戦術士(男)=魔道士(男)=ダークマージ(男)=神軍師(男)=賢者(男)=ソーサラー(男)≒魔戦士 戦術士(女)=魔道士(女)=ダークマージ(女)=神軍師(女)=賢者(女)=ソーサラー(女) ヴァルキュリア=ダークナイト 杖:トルバドール=ヴァルキュリア 僧侶=トリックスター(男)=賢者(男) シスター=バトルシスター トリックスター(女)=賢者(女) 親世代キャラグラフィック一覧 初期クラスは太字 キャラ名 3DCG 2D(ドット絵) その他 マイユニット 戦術師神軍師 クロム ロードマスターロード ロードマスターロード ロードの場合、剣装備時は地に刺さっている剣を抜き、終了時は回転させて突き刺す。槍装備時は終了時のみ同じように回して突き立てる(剣の引き抜きは攻撃を仕掛けた時のみと思われていたが、異界の騎士団との遭遇戦にて敵軍師がクロムを攻撃した際にも剣の引き抜きを確認。より正確な情報も求む) リズ シスターバトルシスター賢者 フレデリク グレートナイト ヴィオール アーチャー アーチャー ソワレ ソシアルナイトパラディングレートナイト ヴェイク 蛮族戦士バーサーカーウォーリアー ソール ソシアルナイトパラディングレートナイト ミリエル 魔道士賢者 ダークナイト カラム アーマーナイトグレートナイトジェネラル スミア ペガサスナイトファルコンナイト ロンクー 剣士ソードマスターアサシン リヒト 魔道士 マリアベル トルバドールヴァルキュリアバトルシスターダークナイト ベルベット タグエル 盗賊系職業の戦闘勝利時、武器を振り払う ガイア 盗賊 ティアモ ペガサスナイトファルコンナイトダークナイト グレゴ 傭兵 ノノ ダークナイトマムクート 戦闘勝利時、ガッツポーズをして微笑む(騎馬系クラス・マムクート時を除く) リベラ バトルモンクダークナイト サーリャ ダークマージダークナイト 戦闘勝利後、他の魔道書ユニットとは違うモーションを取る(ダークマージ系で確認) オリヴィエ 踊り子 セルジュ ドラゴンナイトドラゴンマスター ヘンリー ダークマージ 戦闘勝利時、高笑い(騎馬系クラスを除く)。装備品無しの時も同様 サイリ ソードマスター バジーリオ 蛮族戦士バーサーカーウォーリアー フラヴィア 傭兵勇者盗賊アサシン ドニ 村人 アンナ トリックスター チキ マムクート ギャンレル トリックスター ヴァルハルト オーバーロード エメリナ 賢者 レンハ ソードマスター インバース ダークペガサス パリス 勇者 勇者 子世代キャラグラフィック一覧 初期クラスは太字 キャラ名 3DCG 2D(ドット絵) その他 ルキナ ロードマスターロードダークナイト ロードマスターロード ロード時のグラフィック(2D・3D共に)、ロード系でのモーションは異界のマルス専用クラスのスターロードに流用されている(顔グラフィックは異なる)。4章のマルスとは顔以外同一グラフィック、モーション尚、敵軍時のロードルキナ(マスターロードではない)は長髪かつ仮面を着用している。 ウード 剣士ソードマスターアサシン 剣士 アズール 傭兵 ブレディ 僧侶バトルモンク賢者 デジェル アーマーナイトグレートナイトジェネラル シンシア ペガサスナイト セレナ 傭兵勇者ボウナイトダークナイト ジェローム ドラゴンナイトドラゴンマスターグリフォンナイト マーク 戦術師神軍師 シャンブレー 蛮族戦士バーサーカーウォーリアータグエル ロラン バーサーカー魔道士賢者 ノワール アーチャーボウナイトスナイパー ンン マムクート 魔道書以外を装備した状態で戦闘勝利時、お辞儀(騎馬系クラス・マムクート時を除く) NPC・敵キャラ専用・DLCにおける変更グラフィック一覧 顔部分が専用になっている(一部は衣装も専用)NPC・敵キャラのみ記載 キャラ名 3DCG 2D(ドット絵) その他 ファウダー ソーサラー あり 断章、6章、23章に登場 ライミ アーマーナイト 3章に登場 マルス(仮面) ロード 4章。服装、モーションはルキナと同じで、ドット絵は顔部分が異なるだけ フィレイン ファルコンナイト 9章終了イベントにのみ戦闘シーンあり セルバンテス ジェネラル 16章、20章に登場 エクセライ 賢者 あり 20章に登場 屍兵将 ソルジャー 「異伝 生と死の境に」に登場 アンナ 商人 「異伝 五人のアンナ」及び「異伝 最も強き者の名」に登場。登場シナリオでそれぞれ異なる外見が用意されている。 屍兵 ゾンビ 「異伝 迷宮の追跡戦」に登場。通常のゾンビの倍以上の大きさになっている。 リズ - 「異伝 絆の収穫祭」にて変更。三角帽子を装備 特定クラスのユニット ソーサラー 「異伝 絆の夏」にて変更。男女・敵味方問わず水着になる ソードマスター 「異伝 絆の秘湯」にて変更。男女・敵味方問わず浴衣になる コメント 過去のコメントを見る 2Dドットについて、リズやセルジュ・マリアベル・ルキナなど髪飾りをしているキャラはトルバドール・ヴァルキュリアで帽子をかぶりません。マイユニ♀が帽子をかぶるのでミリエルのように帽子をかぶる方がオリジナルっぽいです。 - 名無しさん 2012-09-23 13 25 42 グリフォンナイトは追撃や反撃の隣接攻撃でトドメを刺した時に必殺と同じ叫び声で尚且つ固有モーションで攻撃します。ただしデュアルアタックの時やこちらの一回目の攻撃は固有モーションではありませんでした。ノノ、セルジュ、サイリ、チキで確認 - 名無しさん 2012-10-07 22 48 02 また、ドラゴンナイト・ドラゴンマスターの奥義モーションは回転しながら突進するのに対して、グリフォンナイトは回転せずに突進しました - 名無しさん 2012-10-07 22 51 18 2Dベルベットとシャンブレーが同族でも姿勢が違うというのはカウントされないんだろうか。 - 名無しさん 2012-10-18 18 40 31 ノノの魔道士なんかは完全に固有だけど、サーリャとロランみたいに同じ職で同じモーションてのもあるよね。花嫁なんかも単純に二分されるし… - 名無しさん 2012-10-26 17 20 06 ドラマス≠グリナイト グリナイトは専用モーションです。後、オーバーロードのモーションもグレードナイトと変わりないので馬に乗ってるモーションは全部同じですね。面白みがないことに・・・ - 名無しさん 2012-11-09 00 42 29 いまさらなのですが、ダークナイトは異界の騎士団で確認しましたがリベラ、サーリャ、ティアモ、ノノ、セレナが固有です。リベラは既に出ているようなのですが残りの4人は異界の騎士団でも青色でした。 ただルキナがマルスが女装したようにしか見えないのはなんとかならないのでしょうか( - ダークナイト好きのルナ+の人 2012-12-06 22 27 33 遭遇戦で敵アサシンが弓攻撃してきたとき、クロムが剣引き抜きました。 - さば 2013-04-03 12 08 13 追記 ただし、「普通に剣を持っている状態から一度剣を地面に突き刺し、そして剣を引き抜く」という動作でした - さば 2013-04-03 12 15 09 ティアモの傭兵系の敵撃破時、髪を払うしぐさを確認。 - 名無しさん 2013-08-27 09 55 56 ヴェイクのウォーリアーは固有グラ。よく見ると若干、体が太め - 名無しさん 2013-09-24 23 29 24 ヴェイクのバーサーカー固有グラ確認 - 名無しさん 2013-09-28 23 51 10 ダークナイトが襟が短い専用グラになるのは、長髪キャラの大半みたいですね(該当:マリアベル、ティアモ、ノノ、リベラ、サーリャ、セレナ)。ちなみにチキは対象外でした。 - 名無しさん 2014-01-24 21 05 12 ヴェイク、バジーリオ、シャンブレーの3人は、蛮族・戦士・バーサーカー・ウォーリアーが専用グラ扱い。ロランはバーサーカーのみが専用グラ扱いでした。 - 名無しさん 2014-01-24 21 06 47 今更ですが、ソワレ、ソール、カラム、デジェルなど、専用カラーのナイト組は、上級クラスのナイトになっても専用カラーの鎧を着ているみたいです。マイユニやヴァルハルト、親の影響で新たにナイト系のクラスを継承した子供ユニットなど、初期クラスがナイト系でないユニットは汎用の青い鎧を着るみたいです。 - 名無しさん 2014-01-28 03 05 49 クリス・サイドウッドヒートオルフィルドエリカ・アローセイル神坂鋼仁サディ・テールインレット・ウィステリアジャック・ホールセラー - フルモンスター 2014-04-28 01 08 35 イメージカラーの鎧の連中も此処に記載したほうがいいのでは?例、セレナの勇者(青→赤)、デジェルの鎧(青→紫)、ブレディの服(白青→黒紫)など - 名無しさん 2014-07-28 02 07 03 今更ながら、リヒトのGナイトの馬ちっちゃいね。フレデリクの馬と比較して、たてがみの鎧が4つ→3つに減らされてた。パラディンでは未確認 - 名無しさん 2014-08-31 02 47 51 ファウダーのモーションは基本的に男性版マイユニと共通なのをその他に記載すべきではないかと - 名無しさん 2015-02-07 19 25 31 リズを賢者にするとエメリナと同じ服装になります - ソウル (2018-11-03 06 36 12) 名前 ※返信したいコメント前のボタンをチェックすることで返信が出来ます※
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ジョセフが指先一本で天井からぶら下がっている。 数十秒ほどその体勢を維持した後、すとんと床に下りて水差しからコップに水を注ぐ。 そしておもむろにコップを逆さにしても水は零れない。そこから水面に指をつけて水をコップの形のまま取り出すと、水の塊を齧ってみせる。 「波紋が使えるとこういうコトが出来る。後はワルキューレブッちめたり傷を治したりも出来たりするというわけじゃ」 ルイズの部屋の中、ジョセフは改めて自分の持っている能力をルイズに披露していた。 基本的に表面上は平和なトリステインだけどもしもの場合に何があるか判らないから、というルイズの提案と、ジョセフも自らがルイズを主人とする以上は手の内を見せておくことが信頼に繋がる、と互いの思惑が噛み合って今に至る。 ワルキューレをブッちめるのは波紋のせいだけではないが、少なくとも一部を担っていることは確かだ。 ちなみにデルフリンガーは「夜更かしは健康に悪いんだぜー」と既に寝ていた。 「なるほど。で、そっちじゃその波紋を使える人間は、今じゃジョセフ一人だけなのね?」 主人の問いに、ジョセフはこくりと頷いた。 「わしが知ってる限りじゃがな。わしもわしの母も、誰かに波紋を伝える必要がなくなったからの。今じゃ吸血鬼を生み出す石仮面も、吸血鬼を餌とする柱の男もおらん。そして今ではスタンドという新たな力を人間は持つようになった。 波紋は使える様になれば老化を防止するし、寿命もそれに伴ってエラく長くなる。じゃが思うんじゃよ。果たして、人としての寿命を越えて生き続けるのは幸せなんじゃろうかな、と」 普段しないようなシリアスな顔に、ルイズは首を傾げた。 「でも、やっぱり不老長寿って人類の憧れじゃない? 私なら使ってみたいとか思うけれど」 ルイズの疑問は、若さゆえの無邪気さだけで象られていた。ジョセフはどうにも表情の判別の難しい微苦笑を浮かべた。 ジョセフは毛布の上にあぐらを掻くと、幼いばかりの主人を優しい目で見上げた。 「わしが母リサリサと初めて会った時、母は50歳じゃったが見た目はどう見ても二十代後半じゃった。母は言ったものだ、『若さは麻薬のようなものだ。無くても生きていけるが、手にすると抜け出すのが難しくなる』とな。 わしは妻スージーQと共に老いる為、生まれた時から使っていた波紋を止めた。そうでなければ、わしはずっと若い姿のまま老い行く妻を見続けることになるし、妻はずっと変わらぬわしを見続けながら老いて行かねばならん。……そんなのは地獄じゃわい、夫婦揃ってな」 重い内容の言葉も、ジョセフが言えば随分と軽く聞こえるようになる。それがジョセフの持って生まれた人徳とも言えた。 ただルイズはなおも納得できないという顔をしている。 『それが本当の若さなんじゃよなあ。手の中にあるうちは全くその尊さが理解できん』と、しみじみ見つめるジョセフ。 「それに人間、終わりがあるから生きてけるんじゃ。終わりが無くなれば、狂うしかないんじゃよ。狂うしか、な」 かつて戦った宿敵達の顔がジョセフの脳裏を過ぎる。吸血鬼も柱の男も、自らの生存のためにあまりにも大きなものを大量に他人から借り続けなければならなかった。 そんな者達と戦うジョースターの血統は、言わば取立て屋と言ってもいい。人から取り上げすぎたものを取り立て、人々に返す。祖父ジョナサンも、父ジョージ二世も、自分も、そして承太郎も。きっと、子孫達も。 「難儀な血筋じゃわい。……しかしそう考えると、もしやすればジョースター家というのは、この世界からわしの世界に流れていったメイジの末裔なのかもしれんな」 この世界での貴族は、メイジとして得た力を世界のために役立てる、というお題目はある。一万人に一人しか素質が無いはずの波紋を親子三代で顕在させたジョースター家は、もしやすればメイジの血筋かもしれない、と考えてもおかしくはなかった。 「かもしれないわね。だとすると……メイジも波紋って出来るのかしら! ねえジョセフ、ちょっと教えてよ!」 キラキラと目を輝かせるルイズに、ジョセフは思い切りコケた。 「ルイズ! お前わしの話聞いとったんか!」 「それとこれとは話が別でしょー? もし私が波紋使えるなら、それはそれで『ゼロ』なんてイヤァな仇名から脱出出来るのよ! 四系統とかそこらへんの区切りから外れるのはこの際目をつぶるわ!」 早速輝かしい未来を想像して目に流れ星を幾つも飛ばすルイズ。 ジョセフはどうにもガックリと肩に重い物が圧し掛かったのを痛感していた。 (どーにもウチのルイズは妄想癖が強くていかんわいッ。将来エラい詐欺とかに引っかかりそうで目も離せんじゃないかッ) まだ召喚されてから一ヶ月も経っていないと言うのに、ジョセフはすっかりルイズの祖父としての気分をいやと言うほど満喫していた。 サイフをスッた名前も知らない子供を友人と呼べるジョセフにとって、それより長い間寝食を共にしていればワガママ小娘のルイズを孫として扱うのは非常に簡単なことではある。 何より実の孫がアレでアレなので、見た目可愛らしいルイズはむしろ承太郎よりも実の孫としてほしいなーとか考えるのはジョセフがスケベだからという理由だけではない。きっと。 「スタンドは諦めるわ、どうやって出すのかちっとも判んないし! でも波紋ならもしかしたら可能性があるかもしれないわ! やるだけやってみてダメなら諦めるわ!」 『言う事聞いてくれるまで引き下がらないわよモード』になったルイズを見て、ジョセフは深くため息をついた。ああこうなったら絶対に引き下がらんわ、と諦観を決めた。 「一応言っとくが、波紋だって一万人に一人しか使える素質が無いんじゃ」 「もしかしたら一万人に一人が私かもしれないじゃない!」 そう力説するルイズの目は、「一万人に一人が私かもしれない」どころか「一万人に一人こそが私!」と信じきっている! コーラを飲めばゲップが出るくらい確実だと言う位にッ! (うわすげえ。こんな根拠の無い自信って一体どっから出てくるんじゃ) かつて自分が無数の人々に思わせた思いを、ジョセフは自分で抱くことになった。 これは真実を突き付けない限りは諦めない。そう確信したジョセフは、やむなく一応テストをしてみることにした。 「えーと、じゃな……参ったな、人に波紋を教えたコトなんぞないからどうやればいいのかちっとも判らんが……そうじゃな。まず一秒間に10回呼吸するんじゃ」 ジョセフの言葉に、は? と言わんばかりにイヤな顔をしたルイズ。 「何それ。ふざけてるの?」 「波紋呼吸の基礎中の基礎じゃ。この世界にあまねくエネルギーを集約する為に必要なことなんじゃ。ちなみにわしは当然出来る」 ジョセフさんの一秒間に10回呼吸が炸裂するッ! ルイズさんドン引きだッ! 「続いてそれが出来るようになったら、十分間息を吸い続けて十分間息を吐き続ける。最低こんぐらい出来んと、波紋使いとしての素質なんぞないということじゃの。 ……なんなら、もっと早く素質があるかないか判る方法もある」 人外の呼吸法に早くも尻込みしたルイズは、すぐさまジョセフの垂らした釣り針に食いついた。 「そんな便利な方法があるんなら早く教えなさいよ!」 これで波紋使いへの道が開ける、と信じて止まないルイズの目を見ていると、この期待を挫けさせるのはどうにも気が引ける。 が、こういうものは早いうちに折って置いた方が治りも早い。 「素質がある人間じゃと、人体にあるツボを突く事で一時的に波紋が使える様になる。素質が無かったらちぃと痛い目にあうだけじゃ」 結果? 逆切れしたルイズさんがジョセフさんを鞭打ちしまくりましたよ。メルヘンやファンタジーじゃないんですから。 「ゼィ…ゼィ……この犬……ご主人様が罰を与えてるってのに波紋使うなんて卑怯だわ……」 「わしだって鞭打ちが痛いことくらいは知っておりますからの」 息を切らすくらい鞭を振るっても、反発波紋を流すジョセフに効果が無いことは判り切っててるがそれはそれということだ。 肉体と精神の疲労で床にペタンと座り込んだルイズに、ジョセフは緩い苦笑を浮かべながらゆっくりと近付く。 「まああれじゃよ。わしは波紋と魔法は、パンとヌードルのような関係じゃと思っておる」 「……あによそれ」 子供の頃のホリィが叱られて拗ねた時のように涙目で見上げるルイズの頭を撫でてやりながら、ジョセフは言葉を続ける。 「パンもヌードルも小麦粉から作るが、作り方の違いで似て非なる食材になりよる。波紋も魔法も同じじゃ。この世界にあまねくエネルギーを集約することで物理現象を超越した現象を起こすことが出来る。 エネルギーの捏ね方が違うんじゃが、メイジは魔法を使うことが出来るし、波紋使いは波紋を練ることが出来るということじゃ。少なくともルイズはデカい爆発が使えるんじゃから、そのうち使える場面も出てくるわい。それにわしが使い魔なんじゃし、な」 パチンとウィンクしてみせるが、ムカついたルイズはジョセフの脇腹をチョップで突いた。 「おふっ。だから何するんじゃよルイズ!」 「ふーんだ。いいわよどうせ私はゼロのルイズよ。お偉いミスタ・ジョセフジョースターには私の気持ちなんかわかるわけないのよ。ふーんだ」 ああこりゃ何言っても聞いてくれそうにないわい、と判断したジョセフは、苦笑しながら毛布に座り直した。 もし文字通り万が一ルイズに波紋の素質があったとしても、ルイズに波紋を教授する気は毛頭無かった。 様々な「人を超越した者」との激闘を潜り抜けたジョセフは、不老不死の幻想を根こそぎ失っていたのもあるが、本当に波紋を使いこなせたところでルイズの仇名が『ゼロ』なのは変わりないだろうと考えたからでもある。 この世界のメイジは伝統や形式に凝り固まっているのはよく判る。そんな中で新たな力に目覚めたとか言われても、それを世間に認めさせるのは最低でもルイズが自分くらいに年を取った頃になってしまう。下手したら死ぬまで認められない。 それを考えれば、少なくとも「魔法が爆発するだけじゃないようになる」可能性に賭ける方がまだ勝ち目があるというものだ。 (何なら魔法が使えなくとも、このジョセフ・ジョースターのイカサマハッタリに人心掌握術を仕込んでもいい。このハルケギニアを掌握することもきっと出来る――) だがこの誇り高い少女は、世界を掌握することよりも魔法使いとして認められることを選ぶだろう。波紋を使いたいと言ったのも、せめて魔法の代用として使いたいと言っただけだ。決して本心から波紋を使いたい訳ではないのだから。 一度は老いることを選んだ自分が波紋を再開する気になったのは、タフでハードな日々を潜り抜ける為の必要悪だった。だが、今は少し違う。 (ま、しばらくお嬢ちゃんを見守ることにしよう。なあに、波紋使ってたら残り時間は幾らでも延びるわい) むくれてベッドに戻るルイズの後姿を見守る視線は、掛け値なしに祖父のものだった。 外から時ならぬ轟音が聞こえたのは、そんな時だった。 「なんじゃッ!?」 祖父の顔から戦士の顔に表情を一変させたジョセフは、窓を開け放って外の様子を伺う。 「何!? 何なの!?」 ルイズも遅れてジョセフの脇から顔を覗かせる。 ランプの灯っていた室内から月明りの空に一瞬瞳孔が調節された後、見えたのは宝物庫の辺りで巨大な何者かが暴れている光景だった。 「なんじゃありゃあッ……」 「ゴーレムだわあれ! 大きいっ……30メイルはあるわ!?」 ゼロでも流石はメイジ、巨大な何者かの正体をすぐさま看破した。 すぐさまルイズは身を翻し、杖を掴んで部屋を飛び出そうとする。 「ハーミットパープルッ!」 ジョセフの右手から迸る紫の茨が、じたばたと暴れるルイズを押し留める。 「離して! 宝物庫には王国から管理を任されてる貴重な宝物がたくさんあるのよ!? そんなところであんなのに暴れられたら……!」 「勘違いするなルイズッ! 今から階段下りたら時間がかかるっちゅうこっちゃッ!」 そう叫んだと同時に、茨を引き寄せてルイズを腕の中に収めたジョセフは…… 「きゃあああああああああッッッッ!!!?」 開いた窓から、一気に地面へと飛び降り! そのままルイズと共にゴーレムへと駆けていったッ! To Be Contined →
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「よいささげもの」話をします。 あるところにみんなの人気者「プリンセス」のような女の子。名前は「ヨハンちゃん」がいました。その隣に兄弟がいます。お兄さんがかっこよい。弟はあんまりかっこよくはありません。 もうすぐヨハンちゃんのお誕生日という時。二人は誕生日にあげるプレゼントを探しました。お兄さんは、枯れそうになっている花を、そこらへんから探しました。弟は、一生懸命。大好きなヨハンちゃんによろこんでもらうため高価なものを探すことはできなかったけど、一生懸命さがしたのです。ヨハンちゃんはすごく喜んでくれました。お兄さんのプレゼントに対しては、俺様がだしたんだから、喜べ。みなさんはこういうものをうけとってうれしいですか? みんなだったら、大好きなお父さんやお母さんへのプレゼントを渡すときは、一生懸命考えてプレゼントを渡すのだと思います。神様は、みんなのことをと~っても愛しています。みなさんも神様を愛しています。だから神様に捧げるものは、とっても心がこもっていないとならないのです。 さて、聖書に戻って、今日のお話は、アダムとエバの子供たちのお話です。アダムとエバの間に子供が生まれました。兄の名前をカインといい、弟の名前をアベルといいます。カインは、地を耕すものになりました。アベルは、羊飼いになりました。あるとき、神様に、ささげものをすることになりました。アベルは、一番かわいがっていた子羊を神様にささげることにしました。そして、カインは、自分が作った作物をささげました。 神様は、心をみているお方です。当然、一番大切にしていたものをささげたアベルのささげ者を神様は喜びました。それを見て、カインは、怒りました。神様は、カインに「どうして怒るのか?自分が正しいことをしたのであればそれでいいのではないか。怒ってはいけません」とおっしゃいましたが、カインの怒りは収まらずに、アベルを呼び出して、殺してしまいました。神様は、カインに、「アベルはどこへ行ったのですか?」と聞きましたが、知りません。私はカインの番人ではありません。と答えただけでした。 今日の個所でいくつか、私たちが学べる事が3つあります。 まず一番目は、神様には、自分の持っている最高の物をいつも捧げましょう!ということです。私たちは、礼拝で、賛美を神様に捧げます。そのあと、祈りをささげ、神様から聖書の言葉を頂き、最後に献金をささげています。 アベルの捧げものに神様が目を留めた理由は何でしたか?それは、アベルは、「4 4 アベルは羊の群れの中から肥えた初子を持って来た。」とあります。最も大事なものを主に捧げたのを喜ばれたのです。私たちは、たくさんの物を一週間の中で実は頂いています。毎日食べるご飯、泊る家、健康やおいしい空気、お友達もそうです。私たちは、多くの神様の助けを頂いて、この一週間を過ごしているのです。私たちは、その感謝の気持ちを心をこめて丁寧に返す必要があります。ただ、毎週、捧げているから、みんながやっているからと、形式的になることを一番きをつけないといけません。みんなも、これから賛美・祈り・献金を含めすべてに愛をこめて神様にささげましょう! 第二番目は、お友達がほめられた時、学ぶ心を持ちましょう。ということです。みんなは、お友達が学校でほめられた時、どういう心を持ちますか?「僕もお友達みたいにがんばろう」と思うことがおおいですか?それとも、「なんであいつばっかりほめられるんだ?」とやきもちを焼くことがおおいでしょうか?カインは、弟が神様にほめられた時、嫉妬心、ねたんでしまい、ついには殺してしまいました。私たちにも、そういう罪深い性格を誰でももっているのです。友達がよいことで認められていたら、同じく喜び、自分ができていないなら、素直に反省して、一緒に神様に喜んでもらえる人になりましょう。 第三番目は、罪は自ら告白しましょう。ということです。カインは、殺人をした後、神様から、「お前の弟アベルは、どこにいるのか。」と聞かれました。神様は、アベルが殺されていることを知らない方でしょうか?当然知っていたはずです。そこで、カインは、「ごめんなさい。弟をころしてしまったのです。」と罪の告白をすればよかったのですが、「知りません。わたしは弟の番人でしょうか。」とうそをいってしまったのです。罪を犯したとき、素直に神様に話す勇気が必要です。悪いことをしてしまったとき、先生やお父さん、お母さんから、質問されることがこれからあると思います。「怒られたくないから」というきもちで、嘘やごまかそうという気持ちを私たちはもっています。そういう気持ちにまけずに、神様の前に正直に罪を告白できるみんなになりましょう。 お祈りいたします。 Total Hits - Today Hits -
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【基本立ち回り】【全般】 【開幕】 【接近方法】 【飛びについて】 【ダメージが取れる飛び方】 【気をつけた方が良いこと】 【距離別立ち回り】【遠距離】 【中距離】 【近距離】 【画面端での攻防】追い込んだ! 追い詰められた! 【空対空】 【地対空】 【空対地】 【起き攻め】 【被起き攻め】 【ピンポイント攻略】 【割り込み確定ポイント】 【必殺技対策】 【参考資料】 【基本立ち回り】 【全般】 ニーの弱体化によって、1R中に一度は接近される。 暴力的なじゃんけんからいかにすぐ脱出するかがカギ。 逆に言えば、アベル側にもそう何度もチャンスは無い。 【開幕】 バックジャンプが一応安定。 大Kや中K、コパを振って様子見、弾、ジャンプも アリではと思う。 ここからは何も決まらない。 【接近方法】 コカして近づく。 【飛びについて】 【ダメージが取れる飛び方】 【気をつけた方が良いこと】 前中Kはセビ1即解放でどっこいにする。 もしガードしちゃったら、早めに暴れる。 暴れたアパカが当たったら、 その後はジャンプで逃げる等、ワンパにしない。 【距離別立ち回り】 【遠距離】 緩急つけて弾。 クラック潰しに大Kも振りつつ。 ここで削りまくれば、後々楽。 【中距離】 前中Kや、牽制のスカにダッシュ合わせられないように、 コパなど、全体硬直の短い技を振って牽制する。 下降部分、先端気味が狙えるなら、ステハイ弱ニーも是非。 【近距離】 パナしのセンス。バクステ、ジャンプ、投げ暴れ。 アベル戦の経験値が結構出てくる所。 (アベルのページ見てを勉強しよう) EXゲージが無ければ、コア、屈中P重ねから 強引に攻めても大丈夫。 【画面端での攻防】 追い込んだ! うろうろしながら、通常技を振って削る。 ローリング見えたら投げ。 追い詰められた! 【空対空】 【地対空】 【空対地】 【起き攻め】 【被起き攻め】 【ピンポイント攻略】 無空を選択されたら、距離調整は常に念頭に。 見てからじゃ対応出来ないので、出し辛い様に動く。 【割り込み確定ポイント】 CoD二段目ガード後アパカ確。 小技刻みからの前中Kはセビ1即解放。 (前ステトルに負ける) 【必殺技対策】 やつの必殺技は前中K。 全体硬直の長い技をホイホイ振らない。 密着時、手癖でコパ下タイガーしてる人とかも 危ないかも。 【参考資料】 一度は読むべし、アベルページ
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「そこでわしは言ってやったッ! 『お爺さん、どうして頭に赤い洗面器を乗せてるんですか』となッ!」 巻き上がる大爆笑。 生徒達だけでなく使い魔達まで大爆笑だ。 授業が終わった後の教室で、ジョセフを囲んでの談笑は今日も非常に盛り上がっていた。 ヴェストリ広場での決闘から数日が経ち、ジョセフを友人と呼ぶ生徒は二桁に達した。 放課後にこうして教室でダベり、特に実りのないバカ話をするのが最近の流行だった。 あの決闘騒ぎは学院中の生徒が見物していたため、ジョセフに面白半分に決闘を挑もうとする生徒も多くなるような気配を見せていた。 だがジョセフの友人となったギーシュとキュルケが「ジョセフに決闘挑んだら次はそいつに私達が決闘挑んでブチのめす」と宣言した。 ジョセフ一人ならともかく、ギーシュもキュルケも学院では有名な実力者である。 特にキュルケはトライアングルメイジ。 そんな腕利き達と決闘を三回やって生き延びられる自信のある生徒がいるわけもなく、ジョセフは決闘の嵐を見事に避ける事が出来た。 よって放課後は誰に気兼ねすることもなく、ジョセフは友人達と他愛もない話に興じていられるのだ。 しかもジョセフは68年もの間、普通の人間より波乱の多い人生を過ごしてきた人間である。 話半分のホラ話と受け止められても、その荒唐無稽さや愉快さは並大抵の吟遊詩人や道化師では足元にすら及ばない。 その評判を聞きつけた生徒が物は試しとやってきて、ジョセフの話術に引き込まれて友人を名乗る事になる……というのが、大凡のパターンとなっていた。 実際、二十世紀中盤のニューヨークで、口先三寸と肝っ玉の太さとイカサマハッタリを駆使してたった一代で不動産王になったジョセフである。 中世レベルの貴族子弟を虜にすることなど、文字通り「赤子の手をひねる」ようなものだ。 だがこの場に、ジョセフの主人であるルイズの姿はなかった。 最初のうちこそ無理矢理ジョセフを引っ張って連れ帰っていたルイズだが、人数が増えるごとに「何だよ面白いところなのに空気読めよゼロ」という冷たい眼差しが強く多くなっていき、今では話が終わるまではさしもの彼女といえども近付き辛くなっていた。 無論、その後での躾と称した八つ当たりはジョセフに向けられるものの、鞭打ちでさえ効く様子がないのでストレス解消にもならない。 ルイズが疲れ果てたところで、「んじゃ洗濯物出していただけますかのォ」などとあっけらかんと言うものだから、主人としての威厳も何もあったものではない。 挙句に二股で悪評高いギーシュやにっくきキュルケからさえ、「ジョセフの扱い酷すぎ、ジョセフが可哀想だ何とかしろ」と苦言を呈されては怒りは溜まるばかりだった。 「だって言う事聞かないんだもの! 私の前では何も本当の顔を見せてくれないんだもの!」 一躍ジョセフの名を有名にした「ヴェストリ広場決闘事件」があったにも拘わらず、ルイズの前での彼は今まで通りのボケ老人と変わりがなかったのである。 しかし彼の名誉のために付け加えるとすれば、正体がバレたジョセフは大人しく今までのボケ老人のフリをやめて、「有能な使い魔」として頑張ろうとしていたのである。 だがルイズには今まで「自分を信用せずにボケ老人のフリをしていたジョセフ」を許せない気持ちと、「平民のクセにメイジのような能力を持っているジョセフ」を妬む気持ち、そして何より「誰からも慕われるジョセフ」が羨ましい気持ちが強すぎた。 だからルイズはジョセフに辛く当たってしまうことしか出来なかった。罰と称して鞭打ち、食事を抜き、更なる雑用を言い付けて。 それがどのような結果をもたらすかは、愚鈍ではないルイズは十分に理解していた。 「ゼロのルイズに、あんな有能すぎる使い魔は勿体無い」。そんな陰口が、新たに聞こえた。 私は図書館で、魔術書を読み耽っていた。でも頭の中には内容は入ってこない。私の使い魔、ジョセフの事ばかりが邪魔して何も頭に入らない。 こんなことなら、使い魔なんか召喚出来なかった方が良かったかもしれない。 二年に昇級するためのサモン・サーヴァントの儀式。 何回も失敗して、失敗して。やっと成功したと思ったら召喚されたのは図体の大きい平民の老人。成功しても結局、馬鹿にされた。 なのに。 馬鹿にしていた平民は、『ゼロ』のルイズよりずっとメイジらしくて。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールより、ずっと貴族らしい。 何と言う皮肉なのか。 私が欲しくても手に入らなかったものを、ジョセフは最初から全て手に入れていた! しかも手に入れているものを隠して、私を馬鹿にして、笑っていたんだ! 泣いてはダメ、泣いたらどうしようもなくなる。今まであんなにバカにされても泣かなかったのに、あんな、あんなウソツキの為に泣いてたまるか―― でも私は、何度も泣いた。 友人達と楽しげに談笑して、あいつは帰ってくる。そして素知らぬ顔をして、いつも通りにボケ老人に戻るんだ。 ゴーレムを打ち倒し、人の怪我さえ治せるジョセフは私の前には現れないんだ。 どうして? どうして? 私が未熟だから? 『ゼロ』だから? 使い魔にさえ馬鹿にされるメイジなんて、聞いたことない―― 「隣、いい」 不意に掛けられた言葉が、ルイズを思考の迷宮から現実に引き戻した。 そこに立っていたのは、キュルケの隣にいつもいる少女……だがルイズは、名前を知らない。 「別に……、私の席じゃないもの」 潤んだ目を見られないように、顔を背けた。 彼女はそれを了承と取ったのか、ルイズの隣の椅子を引いて腰掛けた。 彼女が椅子に座ったのと入れ替わりに、ルイズは席を立とうとして……彼女に、袖を引っ張られた。 「貴方に、話がある」 その言葉に、ルイズは過剰に反応するようになっていた。 決闘事件から向こう、彼女に話があると切り出してきた人間の話題は決まってジョセフのことばかりだった。 「……何?」 もはや反射的に言葉に棘を含ませるルイズの冷たい眼差しに、彼女はただ静かに視線を合わせるだけだった。 「彼は、貴方に心を見せたがっている」 唐突な言葉。ルイズは、続いて吐き出そうとした言葉を思わず飲み込んだ。 「……何が?」 意表を突かれたルイズは、思わず彼女に問いを投げていた。 「ジョセフ・ジョースターは主人である貴方を知りたいと思っている」 「……あんたに、何がわかるのよ?」 ルイズの心が、逆毛立つ。知ったような顔で知ったような言葉を吐く彼女に、怒りが芽生えた。 「彼はこの学院にいる誰よりも心の中が貴族」 だが彼女は、ルイズの怒りを見ていながら、容易く無視して言葉を続ける。 「彼はきっと、本当に勝ち目がなかったとしてもギーシュに決闘を挑んだ」 彼女は淡々と言葉を紡ぐ。ルイズにとっても同じ思いである認識を。 ジョセフはきっと、全く無力であったとしてもシエスタを侮辱したギーシュに決闘を挑んでいただろう、と。 「でも。貴方が彼を信頼しようとしていないのに、彼から信頼を求めるのは傲慢」 いきなり思ってもいなかったところから、彼女の切っ先鋭い舌鋒がルイズの心臓を狙った。 「貴方の召喚で彼が呼ばれたという事は、きっと貴方というメイジに最も相応しい使い魔が彼だという事。それは否定しない」 ただじっと正面から視線を合わせ、言葉を続ける彼女。 彼女の冷徹な視線に、ルイズは知らず気圧されている気配を感じていた。 「使い魔である彼がカットされたアメジストだとしたら、主人である貴方は掘り出してすらいない原石。使い魔は仕えようとする意思があるのに、主人は仕えさせようとしていない。私にはそう見える」 ルイズは心のままに反論しても良かった。だが今のルイズに、彼女を論破する自信など皆無だった。ただ感情に任せて否定の詞を返すしか出来ないと、自覚は出来ていた。 だからルイズは、ただ口を固く結んで彼女の言葉を聞くしか出来なかった。 「どんなに美しい宝石でも研磨しなければただの石と同じ。アメジストに飾られる石にただの石ころを用意する人間はいない」 つまり。当の主人が仕えさせるに相応しい心構えを持たずに使い魔を拒絶しているから今の状況になっているのだ、と。 彼女はただ、真実だけを指摘していた。 静かな図書室の一角でぽそぽそと紡がれる言葉は、やがて終わりを迎えた。 「――彼は、石ころにアメジストを飾ることも厭わない。けれど石ころに美しいアメジストをあしらった貴方を、貴方は果たして許せるのか。私はそれを問いたい」 ジョセフはそれでも無能な主人にただ傅く事を選びもする。だが果たして、主人たる資格や義務も見せようとしないルイズは、傅かれているだけの自分を許せるのか。 ただ嫉妬や憤りをぶつけて憂さを晴らしているだけの存在でいることを許せるのか? 彼女の無表情な瞳は、強く強く、そう問いかけていた。 ルイズは、下唇を痛いほど噛み締めて。搾り出すように、たった一言呟いた。 「……あんたに、何がわかるって言うのよ」 そう言ってから、彼女の返事を待たずに駆け足でその場を去っていった。 「おーいタバサー。そろそろ夕食だから晩御飯食べに行くわよー」 『図書室では静かに』と書かれた張り紙の前で遠慮なく大声を出して友人に呼びかけるのは我らが『微熱』のキュルケ。 声をかけられた「友人」であるらしい彼女は、つい先程までルイズに言葉を掛けていた時とは違い、ただ無言で本を読み続けていた。 「……わかった」 ぱたん、と閉じた本に杖を向け、本棚に本を戻す彼女――タバサ。 「そう言えばさっき、なんかルイズがものすごい勢いで走ってったけど。何かあったの?」 「……知らない」 無表情なタバサの言葉に、キュルケはそれ以上何も疑うことをしなかった。 その日の夕食も、ジョセフは厨房で普通に食事を取っていた。今日の賄いはジョセフ直伝、肉の切れ端をミンチにして様々なつなぎを合わせたハンバーグステーキ。 「こいつぁ貴族様方に出すには勿体無い味だぜ!」と厨房でも大好評を博し、ジョセフも十分に満足して部屋に帰ってきた。いずれマルトーは様々な創意工夫を加え、もっと美味に仕上げてくるだろう。それが楽しみで仕方がない。 だがジョセフは合計で三ヶ月もの食事を抜かれている身分。主人が帰るよりも早く部屋に戻っていないと、また主人はがなり立てて鞭打ちの罰を与えてくるに違いない。 終わった後でエネルギーを使い果たしてへたれる主人の姿はどうにも痛々しい。 「ルイズものう……どうすりゃいいんじゃろ」 どうにも孫の反抗期がひどくて困ってる祖父の顔そのままで、ジョセフは唸った。 承太郎も大概反抗期が酷かったが、それでも性根は優しい子だった。 ルイズもきっと性根は優しいんだろうと信じたい。その片鱗も見えてないので、もはや希望としか言い様がないのが悩みどころである。 人心掌握術が使えない訳じゃないのは、数多い友人達が証明している。 自分に何らかの形で興味を持っている人間との対話は出来るが、自分に興味を持たない人間との対話は難易度が飛躍的に上昇する。 「長いこと生きとっても、ままならんことはあるからのう。ま、気長にやるわい」 常人には針の筵と思えるようなルイズの居室も、ジョセフにとっては機嫌の悪い子猫がひっかいてくる部屋という認識でしかない。 随分と早く帰ってきたので、まだルイズは食堂だろう。そう考えて扉を開けたジョセフの目に、ベッドに脚を組んで腰掛けているルイズの姿が見えた。 「……お、おおぅご主人様。ご機嫌麗しゅう」 「遅かったわねジョセフ。どーこで道草食ってたのかしらー?」 いつものように怒り狂っていない。それどころか、微笑すら浮かべている。 こいつぁヤバくね? ルイズの微笑を見た瞬間、ジョセフは瞬間的に心の中の警報レベルを最大にした。具体的に言うとDIOの館に突入する時のレベルである。 「何怖い顔してるのよ。そこに座んなさい」 そう言いながら顎で毛布を示すルイズ。 ひとまず様子を伺う為、従順に命令に従うジョセフ。 言われた通りに正座するジョセフを見やり、ルイズはどこか満足げに頷いた。 「ええと、ジョセフ。あんたに話があるわ」 「は、はあ」 「やっぱりあれよ、今までちょーっと使い魔に厳しすぎたかもしれないわ私! そこは反省しなくちゃならないわね!」 ジョセフに語りかける、というよりは自分に言い聞かせるような演説口調。 さすがのジョセフの頭にもクエスチョンマークが複数生まれていた。 (……ついにマルトーは食事に悪いモンを混ぜてきたんか?) 有り得ない想像すら誘ってしまうほどの唐突なルイズの発言に、鳩が豆鉄砲食らった顔そのままの顔をするしか出来ないジョセフ。 「だから食事抜きとか全部チャイ! で、私の使い魔なんだから私の護衛とかちゃんと出来ないとね! だから次の虚無の曜日に街に武器を買いに連れてってあげるわ!」 ものすごい早口でまくし立てながら、視線を虚空にさ迷わせるルイズ。 ルイズにとって自分の中の「使い魔に尊敬される立派な主人像」を考えて、懸命にシミュレーションして練習していたものの、予想していたよりジョセフが帰ってくるのが早かった。 結果、練習も程々に本番に挑んでいるというのが今の大惨事の事情であった。 それからも懸命にあれやこれや言っているルイズの言葉から、高難度の取捨選択をしていったジョセフは、辛うじて「もしかしてルイズは使い魔に譲歩しようとしているのではないか?」という仮定に達することが出来た。 ちなみに毛布の上に座ってからこの答えに達するまでに、窓の外の月は随分と動いていたことを付け加えておく。 (……なんじゃ。ルイズも悩んでおったんじゃな) 図書館の少女の言葉に背中を蹴飛ばされ、やっと行動に移る気になったのはジョセフの与り知らないところである。 だが、もがきながら手探りでも歩み寄ってきた彼女に、ジョセフは優しい苦笑を浮かべた。 「ん? どうしたのよ。なんかご主人様に不満でもあるの?」 「……いやいや。なんでもありませんわい」 ジョセフは笑って、決断を下す。 誰にも見せていない、最大の秘密であるハーミットパープルを見せようと。 この状況で、自らの切り札を用意に曝け出すのは危ないと判断し、ギーシュやキュルケにすら秘密にしていた類のものである。 そもそも見えるかどうか怪しいとも思ってはいるが、とりあえず出してみてから判断しよう。 ジョセフは、「ではもう一つ、お見せしたいものがあるんですじゃ」と、言葉を発し。 「どうしてご主人様に隠し事ばっかりしてるのよこのボケ犬ゥゥゥウゥッッッッ!!!」 食事を再び三ヶ月抜かれることになったとさ。 To Be Continued →
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「ライブ・ア・ライブ」のオルステッドが召喚される話。 ゼロの魔王-1 ゼロの魔王-2
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それから数日。 あの武器屋での口論はキュルケがデラックスな剣を買って、ディアボロにプレゼントした事で一応の決着をみせた そして、帰ってからデルフリンガーと話をしてみたディアボロだが。 問題のデルフリンガーは長年の間に色々な事を忘れているらしく、特に重要な事は聞けなかった。 (役に立たんな……本当にボーイⅡマンのDISCを持ってくるべきだった) 等とディアボロが思ったかどうかは定かではない そのまま、特に何事も無く、時間の流れに身を任せていた、が。 「暇だ……」 最初は見るもの聞くもの新しかったディアボロだが 数日も経つと、特に何も変わらない日常に飽きてきて、あのホテルから続くダンジョンを懐かしく思っていた。 まあ、帰る方法は存在しているが、これから先の何が起こるか分からない事に期待しているディアボロは中々『帰還』の選択肢を選べない。 そんなわけで最近の彼は「暇だ」が口癖となっていた。 「…何か言った?」 耳聡く聞いたルイズがディアボロに尋ねたりしていたが 「で、ディアボロはどっちの剣を使うのかしら?」 翌日、日常の一部と化した程に、ルイズとキュルケが揉めていた。 その内容はルイズとキュルケの買った剣のどっちをディアボロ使うかというものだ。 武器としての剣は如何でも良いディアボロだが、二人の意地の張り合いは止まらなく、乱闘にまで発展しそうであった。 なんだかんだで決着が付かないルイズとキュルケ。 あまりにも暇なのでディアボロは、つい助け船を出してしまった。 「決闘でもしたらどうだ?」 「「それよ!」」 決闘の手段を話し合う二人を面白げにみつめるディアボロ 決闘内容が「ディアボロを吊るしてそのロープを魔法で切った方が勝ち」、と。 最終的に決まった時も面白げな顔を崩そうとしなかった。 そして、夜になりルイズとキュルケとタバサとディアボロの四人が中庭に集まり決闘を始めようとする。 ディアボロが落下した時にレビテーションを使うため、上空をタバサが乗ったシルフィードが飛んでいた。 この勝負は爆発を起こすしか能の無いルイズには圧倒的不利な状況、だが。 ロープで吊るされる前に、ディアボロは何事かをルイズに耳打ちした 「……………」 「え!?あんた正気!?」 「可笑しくは無い、要は考え方一つだ……どんな下っ端のカス能力でさえも、 考え方を変えて使う事が出来れば、王者を殺す武器にもなる」 「下っ端のカス能力言うな!」 「爆発を起こす事しか出来ないなら、それを最大限に有効活用しろ……分かったな?」 「ちょ、ちょっとディアボロ!」 それ以上何も言わずに無言でロープに吊るされるディアボロ 遥か上空に吊るされた男と、その下で杖を構えるアホ二名。 キュルケは開始前から自分の勝ちを確信していた。 自分の得意な『ファイヤーボール』は百発百中を誇る。 先手をルイズに選ばせて、2回もロープを切るチャンスを与えたのもその自信からであった。 (どうせ、ルイズが出来ることは爆発の衝撃でロープを切るぐらいでしょうね) ルイズが杖を構え魔法を使って―――― ドッグォ――z__ン ディアボロの後ろの壁が見事に爆発!ヒビが入った。 「ちゃんと狙え」 「う、う、煩いわね!心の準備ってものがあるでしょうよ!」 「危ないじゃないルイズ『ゼロ』なんだからもっと良く狙わないと」 「うるさい!」 そして、又ルイズが杖を振ろうとするのを見て、キュルケの顔に勝利の確信が浮かぶ。 だが―――――― ドッグォーz_ン 2度目の爆発は吊られているディアボロに直撃した! 「何してんのルイズ!?」 驚いたキュルケの声に反応する事無く、ルイズは上に向かって叫ぶ。 「タバサ!レビテーションお願い!」 上でシルフィードと共に待機していたタバサは、煙と共に落ちてくる物体にレビテーションをかけて、地面への激突を防ぐ。 「ルイズの勝ち」 タバサの宣告通り、その落ちて来た物体はディアボロ―――つまり、先にロープを切ったのはルイズだ。 ルイズは勝ち誇ろうとする前に、地面にゆっくりと降りてきたディアボロに走って行く。 「大丈夫なのディアボロ!」 「私の言う通りにすれば勝てただろう?」 爆発の直撃をくらった割には軽傷だが、決して無傷ではないディアボロ。 ――――――ディアボロがルイズに耳打ちした言葉とは「私ごと爆発させてロープを切れ」と言う無茶苦茶なものだった。 心配無いとの発言も聞いたが、まだルイズの心臓はバクバクと揺れ動いている。 敗者のキュルケはというと、地面に座り込んでハンカチをギリギリと噛み締めている。惨めだ そして―――いきなり地面が揺れた。 「「な、なに!?」」 「…………」 「ふん?」 そして四人は見た。 「ゴ、ゴーレム!?なんて大きさなの!」 30メイル程もあり、ギーシュのワルキューレを軽く超越した大きさだ。 慌てたルイズとキュルケがゴーレムの移動線上から逃れる。異常な逃げ足の速さである。 だが、一人だけ動かない者が居た。 「……これは『土』のトライアングルかスクウェアメイジなのか?」 取り敢えず何かするようなので、ゴーレムが何をするのかその場で見守る事にしたディアボロ。 平穏な生活を何日も続けていたせいか、かなり危機感が欠如している。 その場を動かないディアボロにルイズが叫ぶ。 「ディアボロ逃げて!」 しかし、ゴーレムに興味津々なディアボロには届いていない。 (爆発で足を怪我したの!?) そんな事は無い、が。ルイズは誤解している 我慢できなくなったのか、自分の危険を省みずルイズは走った。 「早く逃げなさいって言ってるでしょバカ!」 「私に構うな」 煩げにディアボロが手を振るがルイズは離れない。 そんな事をやっている間にゴーレムが近付き、二人の頭上に巨大な足を上げる。 「チッ……しょうがない」 自分一人だけなら何とかなるが――――傍にルイズが居る。 逃げるディアボロとルイズの後ろ、一瞬の差で踏み下されたゴーレムの足が破滅的な音を立てる。 そのまま逃げ続けるルイズとディアボロの後ろで、ゴーレムがヒビの入った壁を破壊し中に誰かが進入した。 しばらくしてから、その誰かは肩に乗り、ゴーレムを指揮してまた何処かへ戻って行く。 「ハァハァハァハァ……あの大きさだと……乗っているのは………トライアングルクラス以上のメイジね」 「トライアングルクラス以上はあんな事が出来るのか………凄いな」 そんな事を話している時、ディアボロはルイズがわざわざ、する必要の無い危険を侵した事を思い出した。 「構うなと言ったはずだが?」 「私の使い魔なんだから構うのは当然でしょ!」 「ふん?」 当たり前のように言い放つルイズを面白そうに見るディアボロ。 「あ、後!ご主人様かルイズ様って呼びなさいって言ってるでしょ!?そうしないとご飯抜きなんだからねっ!」 繁々とディアボロから見詰められて、顔を真っ赤にしながらもルイズは誤魔化すように叫んだ <<前話 目次 次話>>
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吸血鬼ハンターDからD 魔界都市ブルースから浪蘭幻十、ドクターメフィスト、姫を召喚 ゼロの魔王伝-01 ゼロの魔王伝-02 ゼロの魔王伝-03 ゼロの魔王伝-04 ゼロの魔王伝-05 ゼロの魔王伝-06 ゼロの魔王伝-07 ゼロの魔王伝-08 ゼロの魔王伝-09a ゼロの魔王伝-09b ゼロの魔王伝-10 ゼロの魔王伝-11 ゼロの魔王伝-12 ゼロの魔王伝-13 ゼロの魔王伝-14 ゼロの魔王伝-15 ゼロの魔王伝-16 ゼロの魔王伝-16b ゼロの魔王伝-17 ゼロの魔王伝-18 ゼロの魔王伝-19 ゼロの魔王伝-20 ゼロの魔王伝-21 ゼロの魔王伝-22 ゼロの魔王伝-23 ゼロの魔王伝-24
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『メイドの危機・ジョセフの場合』 ジョセフとえらく仲がいいっぽいメイドのシエスタが学院を辞めて、女癖の悪いことで有名なモット伯の館に奉公に行くことになった。 すぐさま馬を飛ばし、モット伯の館に出向くジョセフ。 伯爵は言った。 「そうまで言うならメイドを返してやってもいい。だが交換条件がある。ツェルプストーの家宝である『召喚されし書物』を持ってくることだ」 そういう理由でキュルケの部屋に行こうとしていた使い魔をとっ捕まえた私は、事情聴取を経てその様な経緯を把握したという次第だった。 「とは言ってもねー。平民からしてみたら、貴族の御寵愛に適うという事はある意味出世街道なわけで……」 「そこにシエスタの意思はあるんじゃろか」 私の部屋にて、ベッドに腰掛けた私と毛布に座り込んだジョセフの問答は続く。 「……まあないとも言い辛く……」 「なんじゃったらハーミットパープルでちょっくらシエスタの今の気持ちを読むことも辞さん覚悟じゃが」 言葉を濁そうとしたんだけど、ジョセフにそれが通用しないことは判り切っている。 もし否定的な答えが来れば、ジョセフはすぐさまキュルケの部屋に行くだろう。 そうなればあの色情魔の事だ。交換条件とか何とか言って、ジョセフに色目使ってあんなことやこんなことするに違いない! ジョセフってはじじいのクセに女の子に囲まれてデレーッとかしやがっちゃうから、すぐに色香に負けてあんなことやこんなことを……! 「ほぅらゼロには出来ないようなこともしてあげられるわー」 「ムム!?!?」 「なに想像してんのさ!」 ダメよダメよダメよダメダメダメダメ!!!! 自分の使い魔にツェルプストーの女の匂いがつくだなんてそんな屈辱ないわ!! 頭を下げて「私とジョセフに免じて家宝譲って♪」とお願いすれば、何とかならないかとも思うけど……それだって十分屈辱だわ!! 尻も口も軽いあの女に話題提供とかふざけんなってー話よ! ここで一番いいのは、「あのメイドをジョセフが大人しく諦める」というのが一番円満に収まる選択肢だわ! そうよ、間違いないわ! 「私は使い魔にツェルプストーの女の匂いをつけるのもイヤだし、あのメイドの為にツェルプストーの女に頭を下げたり出来ないの。王宮の勅使にケンカ売ったらヴァリエールもただじゃすまないんだから、それくらいは弁えて貰いたいわ」 つまり動くことは許しません! とキッパリと宣言する。 私も由緒正しいヴァリエール公爵家の末娘なんだから、使い魔の我侭で家に迷惑を掛けるわけにも行かない。そこはちゃーんと納得させなくちゃならないわ! 「判ったらさっさと寝る! 明日も早いんだから!」 そう言うと私は制服を脱ぎ捨てて寝巻きに着替え、ランプを消して眠りに付く。 ――寝つきのいい私は、使い魔がこっそりと出て行ったことに気付かなかった。 深夜……とは言え、地球ではまだ日付も変わらない頃合。 今度は馬ではなく、自らの足でジョセフはモット伯の屋敷に近付いていた。 「おいおい相棒、本当にやっちまうのかーぃ? トライアングルメイジっつったらそっちでもかなりの腕利きだっつーことだぜ?」 「黙っとれデル公や。そいつぁ真正面からやった時の話じゃろ?」 背中に背負ったデルフリンガーは、僅かに刀身を鞘から出してジョセフに話しかける。 夜でも魔法の力で煌々とライトアップされている屋敷は、暗闇の中で十分な目印となる。 森の中を駆けていくジョセフの耳に、唸り声を上げて侵入者を威嚇する獣の声が聞こえた。 「むっ……!」 昼に出向いた時に、翼の生えた黒犬が番犬として屋敷をうろついていたのを思い出す。 果たして、獣は時ならぬ侵入者の匂いを辿り、木々の間をすり抜けてこちらへ駆けてくる。 「なかなか鼻が利きよるわい」 「で、どうすんだい相棒。こんな森の中じゃ俺っちはまともに使わせてもらえないぜ?」 ニヤニヤ笑いながら他人事のように言うデルフリンガーに、ジョセフはにまりと笑うと、近くに伸びている木から小枝を一本手折る。 「剣が使えないなら、別のモノを武器にするんじゃよ」 指の間で鋭く回転させて逆手に握る枝に、波紋を流し込む。 程無くして侵入者を発見した翼犬が、ジョセフ目掛けて一気に距離を詰め飛び掛る! しかしジョセフは焦りの色の欠片さえ見せず、飛び掛ってきた犬から身をかわすのではなく、反対に犬目掛けてラリアットをぶち込む! 人間に比べて遥かに強靭な筋肉を持つはずの翼犬は、まるで丸太でもぶつけられたかのように吹き飛び、木の幹にしたたかに身体を打ち付ける。 ジョセフはそのまま俊敏に犬へ飛び掛り、獲物を背後から抱え込むような姿勢に移行し…… 「フンッ!」 波紋を流した枝を、犬の脊髄に突き刺し、ずぶりずぶりと回転させる。 「アフッ! ウォ……」 断末魔の叫びは、体内に流れた波紋がそれを塞き止める。 やがて命の抜け落ちた亡骸を地面に落とすが、翼犬は一匹だけではない。仲間の敵を討たんと、怒りに燃えたもう一匹の翼犬が、にっくきジョセフへと駆け寄ってくる。 「ふむ。今からじゃ手ごろな枝を見繕う余裕はないのう」 余裕綽綽の笑みを浮かべながら、今度は自らの長袖シャツに波紋を流す。 翼の滑空速度も加えた瞬速のタックルは、哀れな侵入者を即座に押し倒し、喉笛を噛み砕くに相応しい動きだった。だが彼(彼女かもしれないが)の不幸は……今夜の老人は獲物ではなく、自らと同じ立場の「狩猟者」であったことだった。 しかし必殺を疑うことなく、翼犬はジョセフの喉目掛けて奔る。ジョセフは慌てる素振りすら見せず……逃げるどころか、自らの腕を襲い来る犬に差し出すかのように拳を繰り出す! 巨大な顎の中へ狙い違わず打ち込まれた腕に穿たれた、肉を食い千切り骨を噛み砕き腕を食らうはずの牙は、しかし……たった一枚の粗末な布さえ破くことは出来ず、反対に布地は牙を捕らえてあらゆる自由を奪ってしまった。 「捕まえたァ、というヤツじゃのう」 そして間髪入れず、ジョセフの空いている手は犬の肋骨を鷲掴みにしてぼきりと外し。出来た隙間から更に無理矢理指先を押し込んで、万力の様な指先は犬の心臓を押し潰した! まるでオーガが戯れに犬を繰り潰したような刻印を胸に残し、同僚の上に落さとれる死骸。 「おでれーた。やるもんじゃねーか相棒」 「せっかくならワイン瓶でも持ってくればもうちょっと楽じゃったな」 ニマリと笑ったジョセフは、今度は道に近い木々の間を抜けていく。 そうしていれば、番犬達が駆け出して行ったのにやっと追いついてきた兵士が一人。ランタン掲げて「またコソ泥の死体を片付けなきゃなんねーのか」とウンザリした顔を見せながら。 音もなくデルフリンガーを抜いたジョセフは、木の幹の陰に身を隠し。足音を殺しながら兵士の後ろに近付いていき……鎧に包まれていない脇腹へ、ずぶりと刀身を沈め、ぐるりと束を回す。 こうやって体内に空気を入れ込まれれば、人間は呆気なくショック死してしまう。 何が起こったのか判らない、という顔で地面に倒れ伏した兵士を、ジョセフは茂みの中に引き入れ。そして再び、悠然とした足取りで屋敷へと向かっていくのだった。 モット伯はその日、執務室で新たなメイドを味見する直前の高揚した気分を満喫していた。 それは上級階級で話題になっている小説を読む直前の気持ちにも似ている。 「ふふふ……あのシエスタとかいうメイド、幼い顔をしているワリには随分と発育のいい身体じゃないか。これは実に楽しみだ……」 今夜はどのような趣向で男も知らない女を花開かせようか。下卑た笑みを、緩んだ口に乗せるのだった。 カン、カン。 「伯爵様、火急の件がこざいまして」 これからの興に思いを馳せていたモット伯は、無粋なノックと、ドアの向こうからの部下の声に現実に引き戻され、不機嫌に眉間を寄せた。 「なんだ」 「邸内に賊が進入している模様です。警備の兵も数人討たれた様子、伯爵様直々に御迎撃頂きたいのですが」 「何!? ええい、高い金で雇っているというのに! 全く平民は何の役にも立たん!」 伯爵の怒りはトライアングルメイジである自分の屋敷に侵入した不届きな賊だけではなく、無能な平民兵達にも向けられていた。 (平民どもは何の役にも立たんくせに貴族の脛ばかり齧りよる! 全く度し難い存在だな!) 歯噛みしながら、杖を手に取り足音も荒く扉に向かう。 そしてドアノブを苛立ちついでに勢い良くひねって扉を開けようとした瞬間―― 見えたのは、見覚えのない老人の姿。誰何の声を掛ける暇さえ与えず、僅かに開いた扉の隙間から、何本もの紫の茨が伯爵に絡みつく! 「なっ!?」 伯爵はすぐさま魔法を唱えようとするが、茨は杖を持つ手首をねじり込み、杖を離させ。そして喉に絡みついた茨が、呪文の詠唱さえ許さなかった。 「あがっ……がっ……!」 そして老人は茨を掴んだまま扉を背で閉める。 捕われた伯爵と捕らえた老人、それは扉を挟んで背中合わせの形となっていた。 「メイジなんぞ高い金で平民に養われてるというのに、魔法使えなかったらなぁんの役にも立たんのう」 楽しげにからかう声が、この世で伯爵が聞いた最期の言葉だった。 老人が、指先で茨を弾いた瞬間。伯爵の魂は、肉体の鎖から抜け落ちていった。 次の日、ジュール・ド・モット伯爵が病死したという知らせが学院にも届いた。 病死と言うのは建前のこと、本当の死因は何者かに首を絞められた挙句、彼の死体に鋭い一太刀が浴びせられていたのだ。 しかしメイジが魔法ではなく平民の用いる武器によって殺害されたとあっては、ドット伯爵家にとって最高に不名誉な事態であった。よって、建前上は病死という扱いになり、それ以上の事件に発展することはなかった。 彼の屋敷に雇われていた使用人はしばらくして新たな奉公先を見つけてそこに住まうことになる。シエスタも学院に戻り、前と変わらない生活を送ることとなった。 しかし内々の捜査が、とある一人の男に辿り着くのは、時間の問題だった―― 「ってことになっちゃうのよ!? ああ、そんなことになったらどうしよう……ヴァリエール家自体にも捜査の手が伸びてしまうわ!? あああああ、お父様やお母様に姉様にちいねえさま、何と言い訳すればいいの!? 不出来な使い魔を持った私でごめんなさい!!?」 何やらあらぬ想像を張り巡らせて一人でベッドでのたうち回る主人を、使い魔とその剣はぽかーんと見つめる以外になかった。 「なあ相棒。お前んとこの主人っていつもあんなんか?」 「……いやー、普段はあんなんじゃないんじゃがのう。パニック起こしたみたいじゃな」 ヒソヒソと内緒話を交わす一人と一振り。 ちなみに「私は使い魔にツェルプストーの女の匂いをつけるのもイヤだし~」と宣言したところからルイズの想像……というか妄想の産物である。 「それにしても一体ルイズん中でわしはどんなバケモノっつーことになっとるんじゃ?」 口の端々から漏れた妄想の欠片を繋ぎ合わせれば、ジョセフ一人いればハルケギニア全土を征服出来るかのような勢いである。 そろそろ誰か医者でも連れてきた方がいいんじゃないか、とジョセフとデルフリンガーが真剣に相談し始めた頃、ルイズはベッドで頭を抱えてうつ伏せに丸まってた身体を、バネ仕掛けのように凄まじい勢いで跳ね上がらせた。 「……しょうがないわ……ここは一時の恥を偲んで、キュルケに一緒にお願いに行ってあげるわ! ヴァリエールの家自体に悪辣非道な捜査の手を伸ばすくらいなら、たかがちょっとくらいの噂くらいどうってことないわよ!」 いや。それは勝手な想像で。幾らなんでもそこまでせんわい。というジョセフのか細い抗議を敢然と無視したルイズは、ジョセフの襟首引っつかんでキュルケの部屋に向かった。 結局、キュルケは「今度の虚無の曜日にジョセフと城下町に買い物に行く」という条件で家宝の書物を譲ることに賛同し、タバサのシルフィードで早速モット伯の屋敷へと向かう。 無事に学院に戻ることになったシエスタは、「きっとジョセフさんが『私の為』にミス・ヴァリエール達を動かしてくれたんだ」と、勘違いをすることになったが、あながち間違っていないのでジョセフは特に訂正もしなかった。 結果、ほっぺにチュを受けてジョセフはご満悦だった。 さてここで最もワリを食った我らがゼロのルイズ。 彼女の機嫌を取る為、しばらくジョセフは懸命に犬として振舞いまくったとさ。 『暗殺無用』・完 タイトル変わってる? 気にすんなよ